2018年の思い出

2018年は、2014年から4年も放置したこのブログを再開した。といっても記事はほとんど書いていないが、個人的には大きな一歩である。

仕事では非常に大規模かつミッションクリティカルなシステムの開発プロジェクトに関わった。主にC++Pythonを書いていた。優秀な方々と働くことができたので、楽しかった。

また、いくつかのCourseraのコースを受講して修了した。どれも教材の質が高く、苦にならなかった。

面白かった本

各本のリンクは出版社のWebページへのリンク。

エレンディラ(G.ガルシア=マルケス)

「大人のための残酷物語として書かれた」って説明だけでときめく。短編集なので、日常的な超常というか、上質なマジックリアリズムを手軽に摂取できる本。

すばらしい新世界(オルダス・ハクスリー)

ディストピアものとして有名な作。光文社古典新訳文庫版の翻訳がとても良い。同じディストピアものの『1984』と比べると、生前に各個人の能力が階級別に分けられる点で、こちらの方が怖いと思う。この本の設定をもっと現実的にすると映画『ガタカ』になる感じ。

本のエンドロール(安藤祐介)

「紙の本ができるまで」に関わる人々に焦点をあてた小説。紙の本の市場が縮小傾向で苦労する印刷所の営業マンが主人公。「出版」に関して知りたかったことが書かれていてとてもよかった。とあるビブリオバトルでは、この本を泣きながら紹介する業界関係者の方がいたとか。現実の、この本ができるまでの過程が動画で公開されており、本文で読んだ印刷工程が実際に見られて感動。やっぱり紙の本はいい。置き場所があれば全部紙の本にしたい。

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高慢と偏見(ジェイン・オースティン)

河出文庫版。訳がとてもよかった。長年なぜかジェイムズ・ジョイスの作品と勘違いしており、取っ付きにくい印象を持っていたが、実際に読んでみると全くそんなことはなかった。内容は少女漫画的で、結婚するかしないかで大騒ぎする話なので、個人的には苦手なジャンルのはずなのに、とても面白く読めた。そのうちに本作のパロディ映画『高慢と偏見とゾンビ』も観たい。また、2017年に中公文庫から19世紀の挿絵付き新訳がでたようだ。こちらも見てみたい。

夜と霧(ヴィクトール・E・フランクル)

徹底的に感情を排して書かれているのだが、著者が強制収容所から生還したあとに遭遇した悲劇を知ると、なんとも物悲しく、やりきれない。ちょうど一年前の正月に実家で読んだ。

高野聖泉鏡花

角川文庫版。いま出版社ページを見にいったら謎のキャラクターが表紙に書かれていたので、リンクは貼らないでおこう...... 短編集で、お気に入りは「義血侠血」。昔から『楢山節考』(深沢七郎)とか『愛と死』(武者小路実篤)とか『狭き門』(アンドレ・ジッド)とか、この手の(?)悲劇がどうもツボなようだ......

弥生美術館の「文豪・泉鏡花×球体関節人形」も見に行った。

bijutsutecho.com

衝撃だったのが「陽月」という方の作品(下記Instagram参照)で、現実離れした美しさに感動してしまった。ナボコフが書いたニンフェットはこんな感じなのだろうか。誇張でなく「吸い込まれそうな魅力」で、一日中見ていても飽きないと思う。この魅力は写真だと減衰する。それほど実物の存在感は圧倒的だった。彫りが深いので、泉鏡花作品の女性がこんな感じかと言われると、違うような気がするが......

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展示会の内容を紹介する動画にも登場しているけど、やっぱり実物の方が魅力的。

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面白かった映画

CABIN

古今東西のホラーのパロディのような映画。ホラー映画をよく見るのでかなり楽しめた。

ファイト・クラブ

有名なのは知っていたけど全く内容を知らなかった。思っていた映画と全然違って驚いた。冒頭のシークエンスからしてかっこいい。ラストシーンも大好き。

ジェイコブス・ラダー

始終暗く絶望的な雰囲気が漂う。こういう雰囲気の映画は大好物。Silent Hillはこの映画に強く影響を受けていると言われているが、確かに空気や演出が似ている。BD買う予定。

面白かったゲーム

Nintendo Switchを買ったり、機械学習用のPCを買うという名目でゲーミングPCを買ってSteam沼に沈みかけたせいで、数年ぶりにかなりの時間をゲームに費した。

GOROGOA

絵画のようなパズルゲーム。これまで遊んだゲームの中で一番美麗だと思う。初見でも1時間程度でクリアできるが、密度が濃い。

Bayonetta, Bayonetta 2

Switch版でクリアして、PC版も買ってしまった。敵キャラのデザインや登場演出が最高に好き。

Final Fantasy XV

かなりはまった。買ったPCに比較的高性能のGPU (GTX 1070 Ti) を積んでおいてよかったと心から思った。発表から発売まで10年以上かかっていたり、DLCの開発が中止されたりしたため、一部Web上には怨嗟の声が渦巻いているが、個人的にはかなり楽しめた。ストーリーはクリアしたが今も時々遊んでいる。2016年の発売当時とは違い、バグの修正や演出強化が行われたため、特に不満もなくプレイできている。

NieR:Automata

すごい世界観のゲームだ...... Cエンドでは泣いてしまった。サウンドトラックも買って、夜間ジョギングするときに聴いているが、ビル群が崩壊しつつある廃墟に見えてくる。Cエンドを見たあと最初からやり直しているが、ポッド強化用アイテムがなかなか手に入らないので苦労している。

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド

今世紀最高のゲームの一つだと思う。コンサートにも行った。祠はコンプしてマスターバイク零式まで手に入れたところ。コログ集めはまだ200体程度......

Splatoon 2

今世紀最高のゲームの一つだと思う。ウデマエは全ルールS程度。サーモンランも楽しい。オクト・エクスパンションもクリア済み。今でもフェスには参加している。定期的にアップデートしてくれる公式には感謝しかない。

2019年もよく学び、よく遊びたい。